メジャースケールとマイナースケールの各音の特色

当記事では、スケールごとの各音の特色について解説します。

メジャースケールの各音の特色

よくコードを分類する際に、トニック、サブドミナント、ドミナントといった名前が出てくることがあります。

これは、トニックは安定、ドミナントは不安定といったような、それぞれのコードが持つ安定感を表しています。

実はこの分類は、コードだけでなく各音高にもあり、さらに細かく名前が付けられています。

メジャースケール(Cメジャースケール)に含まれる音高は以下の通りです。

左から順に、

  • トニック(Tonic)・主音
  • スーパートニック(Super Tonic)・上主音
  • ミディアント(Mediant)・中音
  • サブドミナント(Subdominant)・下属音
  • ドミナント(Dominant)・属音
  • サブミディアント(Submediant)・下中音
  • リーディングトーン(Leading Tone)・導音

になります。(あくまでメジャースケールの場合)

各音の特色はなぜ重要?

「こんなの覚えて何の役に立つの?」と思われるかもしれません。

強いていえばコードの響きや機能を特定しやすくなるからです。

コードの響きや安定感というのは、スケールごとのアボイドノートや音程間隔だけでなく、そのコードに含まれる音高自体の響きにも左右されています。

そのため、各音の特色を押さえておくと、よく知らないコードでも響きを大体予測できるようになります。

不安定な音が多ければコード自体も不安定になることが多いですし、それ以外の要素も含めて考えるとコードの機能を特定できます。

またメロディだけを考えても、スケールトーン内で安定する音をあえて使わずにフワフワしたような感じのまま小節を終わらせたりと、面白い効果が得られることが多いです。

分析の視野を広げるためにも覚えていて損はないでしょう。

メジャースケールの安定した音

この中で安定した響きを持つのは、トニック、ミディアント、ドミナントです。

ギン

Cメジャーだとドーミーソー♪ですね。

トニックはスケールの中で一番安定した音で、この音に戻ると落ち着きます。すべての音はこのトニックに引き寄せられます。

ドミナントはトニックの次に安定した音です。コードでいうとドミナントは不安定というイメージがありますが、あれはドミナントコードに含まれる構成音や構成音同士の音程間隔などによって緊張感が生まれているだけで、単音の場合は安定しています。

ミディアントはドミナントの次に安定した音です。トニックとドミナントに挟まれたちょうど中間の位置にあるためミディアント(中音)と呼ばれます。

メジャースケールの不安定な音

スーパートニック、サブドミナント、サブミディアント、リーディングトーン、は不安定な音として知られています。

リーディングトーンはスケールの中で最も不安定な音です。リーディング(導く)というだけあって強烈に半音上のトニックで解決したくなります。

サブドミナントはリーディングトーンの次に不安定な音です。サブ(下の)ドミナントですから、ドミナントのすぐ下にあります。

スーパートニックとサブミディアントは、サブドミナントの次に不安定な音です。スーパー(より上の)トニックと、サブ(下の)ミディアントと覚えると位置関係が分かりやすいと思います。

トニックとドミナントの間にあるからミディアント(中音)という話をしましたが、そのうち下側にあるためサブミディアントというわけですね。

これまでメジャースケールを取り上げましたが、スケールが変わるとそれぞれの音が持つ役割も若干ながら変化します。

代表的なスケールとしてマイナースケールを取り上げましょう。

マイナースケールの各音の特色

マイナースケールでの各音の特色は以下の通りです。

メジャースケールとの違いは1音のみです。

メジャースケールでリーディングトーンと呼ばれていた非常に不安定な音が、「サブトニック(Subtonic)・下主音」となっています。
※ナチュラルリーディングトーン(Natural Leading Tone)とも呼ばれます。

本来トニックに強くリーディング(導く)するからリーディングトーンだったワケですが、マイナースケールだとトニックまでの間隔が全音間隔になってしまいます。

Cメジャースケール

    C

    D

    E
    F

    G

    A

    B

    C

     

     
Cマイナースケール

    C

    D

  • E –
     
    F

    G

  • A –
     

  • B –
     

    C

     

     

基本的に不安定な音はより近くにある安定した音に引き寄せられますが、間隔が離れてしまうとその力が弱くなってしまいます。

それで、リーディングトーン程の誘因力がないためサブトニックと呼ばれます。

メジャースケールとマイナースケールを比較すると、ここ以外にも音程間隔の変化によって「引き寄せられやすさ」が変わっていますが、名前が変わるのはこの一音のみです。

影響力の強いリーディングトーン

各音の特色の中でも特に名前が挙がるのがこのリーディングトーンです。

それほど影響力の強い音で、これが含まれるか含まれないかでコードの印象はかなり左右されます

マイナースケールにはリーディングトーンが含まれないため、マイナースケールのダイアトニックコードだけでは強い解決感のあるコード進行をつくることができません。

ひとつ例を挙げましょう。

1小節目がリーディングトーンの含まれていないマイナースケールのツーファイブワンで、2小節目が無理やりリーディングトーンを入れたツーファイブワンです。

どちらの方が解決感(Cmに戻った時の気持ちよさ)があるか確かめてみて下さい。

断然2小節目の方が解決感が強かったのではないでしょうか?

半音の違いだけでここまでコードの印象が変わるというのは面白いところです。

もちろん、リーディングトーンが入ったことでトライトーンという不安定な音程間隔ができたことも解決感が強くなった一つの要因です。

まとめ

まとめましょう。

  • トニック、ミディアント、ドミナントは安定した音
  • スーパートニック、サブドミナント、サブミディアント、リーディングトーン、は不安定な音
  • 基本的に不安定な音は近くにある安定した音に引き寄せられる
  • マイナースケールの第7音は、リーディングトーンではなくサブトニック

最低限、「各音高にもそれぞれ特徴がありコードの印象にも影響を与えている」という部分を、なんとなくでいいのでイメージできるようにしておくといいでしょう。