めちゃくちゃなのになぜ響く?ネガティブハーモニーについて優しく解説

最近何かと注目されている音楽理論の中に、ネガティブハーモニーがあります。

名前からしてネガティブなヤツがハーモニーされてそうで 陰キャの我々からすると興味をそそりますが、、、、残念ながらそんなテクニックではなく音楽理論のひとつです。(笑)

残念ながら、我々陰キャはいつまでも陰キャのままです。

、、、それはいいとして、なかなか面白い理論ですしいい頭の体操にもなりますので是非お付き合いください。

ギン

それでは見ていきましょう!

ネガティブハーモニーとは

簡単に言うとネガティブハーモニーとは、コード構成音を入れ替え、似た響きを持つおしゃれなコードに変える考え方のことです。

一般的にはメジャースケールで作曲することを前提に考える場合が多いですから、明るいコードを少しおしゃれな響きのコードに変えたい時などに使われる考え方と良く紹介されます。

全く異なるコード構成音なのに似たような響きを持ち、調性外の音高を使っても美しく響いてしまうためとても奥が深い作曲技法です。

この考え方については抽象的な説明しかされない傾向が強いので、ここはしっかりと理論から理解できるよう説明しようと思います。

尚、実際の使用例はこの記事で紹介しています。

ネガティブハーモニーの使い方:実際の使用例を音声アリで紹介しますネガティブハーモニーの使い方:実際の使用例を音声アリで紹介します

ネガティブハーモニーの原理

ネガティブハーモニーは、コード構成音をトーナリティの中心で反転させたものと良く説明されます。

トーナリティはかなり広い意味を持つためザックリとした説明になっていますが、12音それぞれが持つ安定感にも規則性があり、それらは主音やスケールによって変化するという意味でもトーナリティと関係があります。

しかし、「トーナリティの中心=主音」という意味ではありませんから注意が必要です。実際には、12音が持つ安定感の規則性に基づいて中心を判断し反転させています。

平たく言うと、コード構成音をのそれぞれの音を同じくらいの安定感を持つ他の音高と置き換えているだけなのです。

12音が持つそれぞれの安定感

同じくらいの安定感の音と入れ替えるといっても、12音それぞれの安定感はどうすればわかるでしょうか?

あまり脱線したくはありませんが、何をもって安定している(もしくは美しく響く)といえるのか、という部分については周波数や倍音といった物理学的なことが関係していますが、それらを踏まえて考えると主音と最も美しく響くのは完全5度、それ以外だと長3度、短3度、完全4度、長6度だということが分かっています。

つまり、主音がCだとすると、最も美しく響くのはGで、その他がE、E♭、F、Aということになります。

最も安定感のある主音と干渉しないという意味で、これらも比較的安定感のある音だといえるでしょう。

DやBについてはどうでしょうか、特にBに関してはCとの距離(周波数比)が近く、同時に鳴らすと不協和しやすいため、安定感のある主音に干渉してしまうという意味でもこれらは安定感のある音とは言えません。(ピアノ鍵盤の隣り合う音を同時に鳴らすと分かるが、周波数帯が近いとうなりとして聞こえるため美しく響かない)

同じ発想でいくと、安定感のあるCとGのいずれかのすぐ隣(フラットナインス)の位置にある、G♭、D♭、A♭はB同様にとても不安定な音だといえるでしょう。

このようにして、12音それぞれがもつ音の安定感をある程度特定することができます。

対象の音の探し方

図に表すとこのような感じになります。

このようにしてみると、一つの線を挟んで対照的に分かれていることに気づくと思います。

もちろんこれはCが主音の場合の話ですから、主音が変われば対称の線の位置も変わります。どの音で落ち着くかによって入れ替える音が変わるわけですから、トーナリティに左右されているというとても不親切でざっくりとした(イヤミ笑)説明も受け入れられるでしょう。

いずれにしても、12音全てを音程間隔が一定になるよう順番に書き出し、主音とドミナントを繋げ、それを基準に隣同士繋げていけばC以外が主音に来た場合も簡単に対応できますので覚えておいてください。(五度圏で考える場合も同じです)

ネガティブハーモニーではこの図を基にコード構成音を入れ替えます。その為コード構成音の安定感や音程間隔(全て入れ替えた場合音程間隔は保持される)などの共通点から、似たような響きのコードを導くことができるのです。

よくある質問

ネガティヴハーモニーを使う上でよく聞かれる質問をまとめています。

どのスケールでも使える?

ネガティブハーモニーはどのスケールでも通用します。これらの12音から使いやすい音を選んで使うのがスケールという考え方ですが、12音の安定感自体は周波数比であらかじめ決まっているもので、スケールが変わったことで対象にある音の安定感が変わるということはありません。
なんなら7音構成ではないペンタトニックスケールでもこの考え方は応用できます。

コードの機能は変わる?

コードの機能はコードに含まれる音高自体の安定感や音程間隔によって決まります。同じくらいの安定感を持つ音高と入れ替え、音程間隔も主音からの間隔は違うにしろ構成音のいずれかの音高を基準にすると引き継いでいるため、機能面ではほぼ変わらないと考えて良いでしょう。

調性感は崩れる?

スケール外の音を使いますから調性感は崩れます。そもそも意図的に調性感を崩すためにこのテクニックを使う人は多いはずです。

1音だけ入れ替えるとどうなる?

安定感が同じくらいの音であることには変わりありませんから、うまくいく可能性は高いでしょう。しかし音程間隔は崩れてしまいますし、他のコード構成音と近接してしまうことで不協和する可能性がありますから注意が必要です。
試す価値はあるかも、くらいでいいかもしれません。

まとめ

ちょっとだけ上級者向けのテクニックをご紹介しました。

ネガティブハーモニーは、コード構成音を同じくらいの安定感のある音と入れ替えるという考え方で、入れ替えた後のコードも入れ替える前のコードと似たような響きを持つというところを覚えておいてください。

また、コードとしてだけでなく、同じくらいの安定感を持つ音はスケール外にもあると考えると作曲の幅が広がるのではないでしょうか?

新たな発想の一助になればと思います。

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