定番のコード進行を原理から解説:ドミナント進行とサブドミナント進行とは

ドミナント進行、サブドミナント進行について分かりやすく解説します。

ドミナント進行(強進行)とは

ドミナント進行(強進行)とは、完全5度下の音をルートに持つコードへの進行のことを指します。

また、5度下の音は4度上の音でもありますから「4度進行」と呼ばれることもあります。

強い進行感があり聴いていて心地よいため、定番のコード進行の中でもよくみかけます。

ちなみに、五度圏(サークルオブフィフス)だと、左回りで音を拾うとドミナント進行になります。

五度圏

ギン

シーエフ ♭(ビーイーエーディージー)ビーイーエーディージー….とあと五万回言えば覚えます。

この順番通りにドミナントコード(ここでは「〇7」で表記されるコードの種類を指すドミナントのこと)にして並べると以下のような響きになります。

確かに進行感があります。(異論は認めない。笑)

キーが定まらないにもかかわらず、解決感や進行感が生まれているのは、ドミナント進行自体がそのような特徴を持っているからです。

ドミナント進行の例

ドミナント進行の代表的な例はやはりツーファイブワンでしょう。

Cを基準音とすると、Dm7→G7→Cとなりますが、ルートの動きを見るとこの進行は全てドミナント進行であることが分かります。

サブドミナント進行(弱進行)とは

サブドミナント進行(弱進行)とは、完全4度下の音をルートに持つコードへの進行のことを指します。

また、4度下の音は5度上の音でもありますから「5度進行」と呼ばれることもあります。

少しややこしいですが、単純に5度下への進行がドミナント進行で、4度下への進行がサブドミナント進行とだけでも覚えておくと混乱せずに済むでしょう。

ちなみに、五度圏だと、右回りで音を拾うとサブドミナント進行になります。

ギン

シージーディーエーイービー ♭(ジーディーエーイービー)エフ….とあと五万回言えば覚えます。

先程同様にこの順番のままドミナントコードで繋げてみるとこうなります。

調性感無視なので無理やり感は否めませんが、コードが難なく繋がっているというのは感じられるでしょう。

サブドミナント進行の例

一例としてカノン進行を見てみます。

カノン進行は、スケールの隣の音への進行(順次進行)を除くとほぼドミナント進行かサブドミナント進行です。

C→G(サ進)→Am(順次)→Em(サ進)→F(順次)→C(サ進)→F(ド進)→G(順次)→C(ド進)….。

ドミナント進行との進行感の違い

ダイアトニックコードのみで比較した場合、解決感(どれだけ落ち着けるか)ではドミナント進行の方が上回っています。

ギン

ド進だけに「どしん」としています。

やはりルートの5度→主音への動きがあるぶん解決感は強くなります。

しかしながら、進行感で比較するとそれ程の差はなく解決感に関しても解決前のコードタイプに左右されるため、必ずしもドミナント進行の方が進みやすいわけではありません。

調性内の不安定なコードからの解決感という面ではドミナント進行が勝っているため「強進行」と呼ばれていますが、進行感という面からするとドミナント進行もサブドミナント進行もどちらとも強いですから、ネーミングで判断せずにどちらとも積極的に使っていきたいものです。

なぜ進行感が強いのか

簡単に説明すると結びつきの強い音同士で進行しているからです。

そもそも現在の音律は協和しやすい音を並べてあるため、スケールに従ってさえいれば適当に音を弾いてもある程度はメロディとしての進行感を感じることができるはずです。

その中でも特に結びつきの強い音であれば、特に進行感は強くなります。

ドミナント進行やサブドミナント進行は、結びつきが強い音を上手く利用して進行感を演出しているということになります。

Cを基準にすると、G→Cがドミナント進行で、F→Cがサブドミナント進行ということになりますが、なぜGやFが主音との結びつきが強いと分かるのかが気になって眠れない(私と気が合う)方は以下をどうぞ。

音の高さは周波数で数値化することができますが、人間の体の仕組み上、周波数比が単純な音同士を美しく響くと感じるよう出来ています。

そのため、結びつきの強さを知りたい場合は、周波数比を比較する必要がでてきます。

例えば、Cを基準に周波数を2倍にするとオクターブ上のCになります。この最も単純な周波数比を持つ音は、一般的には協和するというより「同じ音」という認識が強いでしょう。

次に単純な整数比(3倍)も調べましょう。

Cの周波数比を3倍にするとオクターブ間(1~2)より高い音が出てしまいますが、オクターブを「同じ音」と考えている以上、分母や分子を2で割り(掛け)続けてオクターブ内(1~2)に戻してあげることができます。その為、Cと最も協和する音は周波数比が2/3のGということになります。

つまり、Cに進むために最も親和性のある音を選ぼうとするとGになるというわけです。

逆にGからCを見下ろした場合周波数比は2/3をひっくり返して3/2になるわけですが、これだとオクターブ内に収まらないため、分子に2をかける(オクターブを同じ音と考えているため)と3/4になり、Cから見てFになります。

Fに対して同じ手順を繰り返してもまたGが出てくるだけですので、オクターブ内でCと最も結びつきの強い音は、Gとその裏表の関係にあるFの2音だということが分かります。

主音との周波数比が最も単純な2音だからこそ結びつきが強く、調性内の音高のうち特に進行感を感じることができるのです。

まとめ

まとめましょう。

  • ドミナント進行とは、完全5度下の音をルートに持つコードへの進行のこと
  • サブドミナント進行とは、完全4度下の音をルートに持つコードへの進行のこと
  • 進行感という面では、ドミナント進行もサブドミナント進行もどちらも強い

ドミナント進行、サブドミナント進行を覚えるメリットはかなりあります。コード進行をみてすぐに見つけられるようにしておくと役立ちます。