2つのメロディを同時に鳴らす作曲技術:対位法をマスターしよう

今回はちょっと上級者向けの内容です。

対位法は作曲や編曲に役立つ技術ではありますが、あまり知られていないのも事実です。この記事では実際にどう使えるのかも含めて解説しますのでぜひ参考にしてみて下さい。

ギン

それでは見ていきましょう!

対位法とは

対位法は、主なメロディである主旋律に対旋律を加え、2つのメロディを両立させるために使います。

要は裏メロの作り方の規則みたいなものです。

現代音楽でも多用されており、アレンジにも欠かせない知識と言えそうです。

対位法のルール

実は対位法は、解説者によってルールにも違いがあり、規則が制限的なものから割と自由なものまで様々です。

しかしながら、美しく響く対旋律をつくるということが目標だということには変わりはないので、細かいルールにとらわれ過ぎずに大原則を押さえてそこから自分なりの個性を出せるようにしていきましょう。

対旋律(カウンターメロディ)の作り方大原則としては、以下のようなものが挙げられます。

  1. 基本的に鳴っているコードのコードトーンを使う
  2. 強拍やコードの変わり目ではなるべく3、6音程を使う
  3. 1、4、5、8度には反行させて進行する
  4. 主旋律と同じ動きを避ける

ただし厳格に守る必要はなく、これらを、「まあ大体守っていればいいよ」といったような感じです。

これからひとつひとつ説明します。

鳴っているコードのコードトーンを使う

主旋律と対旋律が不協和してしまっては、2つのメロディを両立させることは出来ません。そのため、主旋律の音と美しく響く音を意図的に選んで使う必要があります。

そこで、手っ取り早く協和しやすい音を探したい場合、コードトーンを意識するといいでしょう。

主旋律で使われている特定の音をコード構成音に持つコードの中から音を選ぶと、対旋律で使いやすい音をある程度限定できるからです。

例えば、主旋律でEが使われている場合、Emコードと考えて(E・G・B)の中から選んだり、Eコードと考えて(E・G#・B)から選ぶことができます。更に、主旋律のEを、Cコードに含まれているEだと考えると(C・E・G)という選択肢もあります。

また、一音一音ではなくまとまりごとに鳴っているコードを考えることもできます。

ある一連のメロディにCとFが何度も出てくるのであれば、その一連の部分のコードはCsus4(C・F・G)や、F(F・A・C)などと考えられるでしょう。その場合も対旋律でこれらの音を使用することができます。

もちろんコードトーンだからと言って必ずしも美しく響くわけではありませんが、音を探す時のひとつの基準として意識しておくといいでしょう。

ギン

どのコードを意識するかによっても対旋律の響きが変わってくるワケですね、面白い。

強拍ではなるべく3、6音程を使う

強拍やコードの変わり目などは聴き手に強い印象を与えますから、しっかりと協和する音を選ぶ必要があります。

協和しやすい音と不協和しやすい音についての解説は別記事にて解説していますが、3・6度はかなり協和度の高い度数と言えます。

そのため、主旋律から3度か6度に当たる音を対旋律で使うとしっかり響きますし、それがコードトーンであればなお良いでしょう。

ただし、連続で3度なら3度、6度なら6度を使い続けると、対旋律というよりは「ハモりを入れただけ」になってしまいますので注意が必要です。

1、4、5、8度には反行させて進行する

3・6度音程以外にも協和する音程はあり、1、4、5、8度も協和することが知られています。(1度と8度に関しては、ユニゾン:同じ音、のため、異なったメロディをつくる以上使用頻度も少ないはずです。)

これらの音程を使う際には、直行か反行かを考える必要があります。

直行や反行の意味が分からない人もいると思いますので簡単に説明しておきます。

直行とは、ある2つの音が同じ方向に進行していくことで、反行とは、逆方向もしくは片方が同じ高さを保持したまま片方が離れるもしくは近づく進行のことです。

直行してこの音程を使うと響きが固くなってしまうのですが、反行して到達するよう意識しておくとスムーズにいきます。

主旋律と同じ動きを避ける

対旋律(カウンターメロディ)の本来の目的はカウンターですので、主旋律と常に同じ動きをしていても面白くありません。

そのため、主旋律が激しく動いているときにはゆっくり動き、休んでいるときには積極的に動くなど、主旋律とは異なる緩急をつけると面白い場合があります。

二声以上の対位法

細かいルールを挙げ始めるとキリがありませんが、考え方としては二声対位法とほとんど変わりません。

二声以上になると付け足すことのできる音がかなり限定されてしまいますが、二声対位法で使われている音に対して和音で足りてない音を足していくイメージで付け加えるとうまくいきます。

要は和音の補強という考え方をして下さい。

まとめ

対旋律づくりのポイントをおさらいしておきましょう。

  1. 基本的に鳴っているコードのコードトーンを使う
  2. 強拍やコードの変わり目ではなるべく3、6音程を使う
  3. 1、4、5、8度には反行させて進行する
  4. 主旋律と同じ動きを避ける

リフなど同じ動きの繰り返しやベースラインも対旋律と考えることができますし、なんならアルべジオなどの伴奏法として知られているものも見方によっては対旋律です。

このように、対位法の知識は様々なものに応用できますから是非マスターしておいてください。