米津玄師「カムパネルラ」を楽曲分析してみた~マイナースケールの生かし方

米津玄師「カムパネルラ」の楽曲分析

米津玄氏さんが2020年の8月5日に5枚目のアルバムとなる「STRAY SHEEP」を発売しました。

「カムパネルラ」はアルバムの一曲目に抜擢されていて、米津さんらしい独特の雰囲気をもった一曲になっています。今回はその「カンパネルラ」を楽曲分析してみたいと思います。

本来はキーBなのですが、説明のためにキーCにして紹介します。

カムパネルラ分析、Aメロ

先ずは出だしの部分です。

原曲キーだと以下のようなコード進行です。

キーCで見てみると、

[Aメロ]
(カムパネルラ~)Cm Fm G Cm
(この町は~)Cm Fm G Cm

※Cマイナーのダイアトニックコード:Cm Dm-5 E♭ Fm Gm A♭ B♭

こんな感じです。三種類のコードの繰り返しですが、小節の最後と頭は同じコードです。

基本的にCマイナースケールのダイアトニックコードばかりですし、メロディ自体もCマイナースケールなのですが、1音だけ異なるのはGのコードに含まれているBの音です。

各フレーズの3小節目に出てきているGは本来であればGmなのですが、マイナースケール特有の問題でGm→Cmに帰ってきても「着地感」「解決感」があまり得られないという問題があるため、敢えてGを使ってより強い着地感を出しているようです。

もちろんメロディにもBの音を入れ込んでいるため不協和せずに印象的なメロディになっています。

Gmでも問題なく進行はできますが、印象的なメロディとはいいがたいですね、、、。マイナースケールの良いところを生かしつつ、弱点をカバーしている良い例と言えそうです。

カムパネルラ分析、サビ

続いてサビです。

[サビ]
(あのひと~)A♭ Gm
(わたしの手は~)(Fm D)(G Cm)

相変わらずメロディは基本的にマイナースケールなのですが、コードは面白いものを入れ込んできています。

例えば、サビの出だしにいきなりA♭が出てきています、これはCマイナースケールのダイアトニックコードですが、本来はサビの頭なので爽やかな印象になるようにCmを使うはずです。

また、最後のCmに向かうツーファイブは本来「Dm-5→Gm→Cm」といった流れになるはずですが、ここではメジャーコードを2つ並べています。Aメロの部分で解説した通り力強い進行を生み出すためです。

マイナースケールのみで普通にコード進行を考えるとこのようになります。

[サビ]
(あのひと~)Cm Gm
(わたしの手は~)(Fm Dm-5)(Gm Cm)

見事に全部マイナーコードになってしまいますね(笑)

特に最後のGm→Cmの部分は覇気がなくなってしまいます。不協和しないようにメロディをいじっているせいもあると思いますがこれが限界でした。

やはりマイナースケール特有の進行感を出しにくいというデメリットを、その他のスケールのコードを借りてきて埋め合わせているところは流石ですね。

結論

米津さんは半端ない。

ギン

ハンパネーエナー♪

、、、というのはさておき。汗

分析してみると、米津玄師さんのセンスもそうですが、スケールやコードの特性を熟知して創られているというのが良く分かります。

これまでも何曲か解説しましたが、マイナースケールをうまく工夫して「童謡っぽさ」を消し、独特の雰囲気のある曲に仕上げています。分析していても面白い発見がたくさんありましたので、別の曲も是非見てみて下さい。